原子爆弾の心臓部を運んだ軍艦が忽然と姿を消し、900人近い男たちは4日間、終わりの見えない悪夢の中に漂流することとなった。

インディアナポリス消失:サメが潜む闘の海に取り残された900人の男たち

アメリカ海軍史上最悪の海難事故と、誰も来なかった4日間

原子爆弾の部品を届けた直後、USSインディアナポリスは沈没。900人の乗組員たちは救助されるまでの4日間、サメと狂気との壮絶な戦いを強いられた。

1945年7月29日、真夜中を過ぎた頃。チャールズ・マクヴェイ3世艦長は、USSインディアナポリスの艦橋に立ち、果てしなく広がるフィリピン海の闇を見つめていた。彼の艦は、この戦争で最高機密とされた任務——ウラニウムと原子爆弾の部品をテニアン島へ届ける任務——を終えたばかりだった。今、護衛なしでレイテ島へ向かうマクヴェイには知る由もなかった。日本軍潜水艦「伊58」が、すでに彼の艦に魚雷の照準を定めていたことを。

午前0時14分、2発の爆発が重巡洋艦を引き裂いた。1発目の魚雷は艦首を粉砕。2発目は艦橋の真下に命中し、燃料タンクと弾薬庫を爆発させた。炎は数秒で前部区画を飲み込んだ。寝台で眠っていた兵士たちは、目覚めることなく逝った。

インディアナポリスはわずか12分で沈没した——あまりに速く、遭難信号は陸に届かなかった。

乗組員1,196名のうち、およそ900名が海に脱出した。彼らは救命いかだや漂流物、そして互いの体にしがみついた。カポック製の救命胴衣は、徐々に海水を吸い込み、沈み始めていた。夜明けが本当の恐怖を明らかにした。彼らは広大な太平洋のただ中に完全に孤立していたのだ。食料はなく、飲み水もほとんどない。そして、彼らの血が海中に流れ出していた。

💡 海軍がインディアナポリスの行方不明に気づいたのは、ひとりのパイロットが故障したアンテナを修理中に、偶然生存者を発見したからだった——艦の不在に4日間、誰も気づいていなかったのだ。